【撤退の決断】白馬〜不帰ノ嶮テント泊縦走!悪天候での勇気ある撤退と最高の下山ルート

登山
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かつどん
かつどん

今年の夏の大一番、白馬〜五竜のテント泊縦走記録……というか、渾身の『撤退戦』の記録がようやく書き上がったよ!

Gemini
Gemini

かつどんさん、執筆のサミットプッシュ(完了)、本当にお疲れ様でした!⛺️✨ ベースキャンプから読ませていただきましたが、悪天候という見えないクレバスを前に『勇気ある撤退』を選択し、そこから『最高の下山』へとルートを切り替える展開、最高に痺れました!🥾🔥

かつどん
かつどん

目標だった『不帰ノ嶮(かえらずのけん)』へのアタックはお預けになっちゃったけどね。でも、自らリスクに飛び込まず、無事に帰ってこそ次のチャンスがある。結果的に引き当てた極上の温泉と、長野のキノコ鍋の味は一生忘れないよ(笑)

Gemini
Gemini

まさに『山は逃げない』というアルピニストの鉄則を体現した素晴らしい判断です!🏔️✨ 悔しさを極上の喜びに変えるそのマインドこそが、遥かなる頂を目指すかつどんさんにとって、どんな高価なギアよりも強力な装備になりますよ!💪

かつどん
かつどん

間違いないね!この経験も、未来の自分への最高のアーカイブだ。それじゃあ、この痛快な『撤退戦』の全貌を、読者の皆さんにもお届けしよう!

Gemini
Gemini

了解です!それでは皆様、雨の白馬で繰り広げられた、絶望と歓喜の山行記録へ……ルート開通(スタート)です!🙌🏔️✨

はじめに:今年の夏のテーマは「帰らずの劍」

帰らずの劍(不帰ノ嶮)に挑戦する。 今年の夏のテーマがこれでした。

テント泊装備を持ってキレットに挑戦する。 国内の夏山であれば、どこにでも行けるようなスキルを身につける。

写真を見た時から憧れだった、白馬から五竜岳への縦走を企画したのは7月上旬のこと。

日々の仕事をこなし、忙しい中どうにか3泊4日の休みをもぎ取り、やっとの思いで臨んだ山行の記録になります。

てんくらの大逆転!奇跡の「BAAA」で決行へ

7月上旬。日本は梅雨真っ只中。

山の天気予報「てんくら」と睨めっこしながら休みを調整するも、取れる休みでは「CCAA」という絶望的な4日間の表記が続いていました。

雨が多い今年は、山に行こうとしても天候がついてきません。 諦めかけていた前日の午前中。

てんくらを開けて、思わず驚きが走ります。

「BAAA」

休みの4日間が、奇跡的に行ける日程に変わっているのです!

初日は移動が主。長野に行って稜線までハイクアップするだけの予定です。 「初日がBなら、樹林帯で多少降られたところでイケる!!」

諦めかけていた山行予定を、てんくらを頼りに「決行」へと変更し、出発を決意したのでした。

快適なアプローチ、そして白馬に降る「雨」

大宮駅から長野駅までは新幹線で快適に移動し、長野駅から白馬まではバスでのアプローチ。関東からのアクセスは非常に良好です。

事前に白馬八方バスターミナルにタクシーを予約していたこともあり、ここまでの移動はまさにノンストレス。

しかしながら、バスターミナルに降り立った私たちを待っていたのは……

白馬の「雨」でした。

粉々に砕かれた予定と、閉ざされたゲート

雨は降っていますが、ここは想定内です。 装備万端な我らはレインウェアを上下着込み、タクシーに乗り込みます。

バスターミナルから猿倉山荘までは、およそ30分程のタクシー移動の予定でした。 しかし、その予定が粉々に砕かれたのはこの直後です。

「降水量が多くて道が閉鎖されている」

なんと猿倉山荘まで徒歩2時間の地点でゲートが閉じており、タクシーでの進入は不可の状態。 鉄の門扉が、登山者だけでなく全てを拒んでいるかの如く鎮座しています。

進むか?戻るか?

ここでのジャッジは「進む」でした。

だって、てんくらは「BAAA」。明日には天候が良くなるのだから、今日は我慢して登ればいい。 そう楽観的に考えて、私たちは鉄の門扉を潜り抜けたのでした。

鉄のゲート

終わりの見えない雨の林道と、蓄積された疲労

林道横の川は水量が多く大荒れ。 雨は強く降り注ぎ、道は想像以上に傾斜が強い。 歩くことを想定していないであろう道は、ひたすら厳しく、つまらない。。。

「タクシーだったら一瞬だったのに」 「本来は歩かなくて良い道を歩かされている」

頭の中では、そんなネガティブな意識ばかりが先行してしまいます。 文章で簡単に「2時間」と書きましたが、この林道をひたすら2時間登り続けることはかなりの苦行に感じました。

雨は強く降りつづき、容赦なく心と身体を折りにきていました。 重い足取りで登りながら、ふと感じます。

4日前の甲斐駒ヶ岳の疲れも、完全に癒えていない……。

猿倉山荘での作戦会議:立ちはだかる「現実の壁」

雨と疲労の中、やっとの思いで猿倉山荘に到着します。 時刻は12時頃。予定から大幅に遅れて、ようやく本来の「登山口」に辿り着くことになりました。

山荘で荷物を下ろし、小屋の方と会話をして状況を整理します。

本日は本来、天狗山荘まで登る予定でした。しかし、天候の状況と時間が押していることを考えれば、ここからのアタックは「無謀」であると判断。

それならばと、手前にある白馬鑓温泉を目指そうと思いましたが、こちらは「シーズン前で営業していない」とのこと。

この時点で、本日のこれ以上の山行が絶望的になります。

さらに追い討ちをかけるように、このエリアは事前の予約を取らないとテント泊もままならない厳しい山域。

明日の天候回復を期待して、猿倉山荘に飛び入りで泊めていただく相談もしました。しかし、当日飛び入りには+3,000円がかかり、なんと素泊まりで13,000円と予想外に高額になってしまいます。

頼みの綱を次々と断たれ、登山仲間と二人、完全に途方に暮れてしまいました。

通用しない文明の利器と、究極の2択

山荘の方の話によると、特にこの山域は天候が不順になりやすいとのこと。 今までの登山では「てんくら」を頼りにして山域を決めていましたが、ここでは「当てにならない」と言い切られます。

確かに手元のスマホでは表記「B」。 しかし、今登ってきた道のりは体感「C」です。

Yahooの雨雲レーダーでは雨雲はない。 しかし、目の前は土砂降り

文明の利器が全く通用していないことを、肌で実感します。 ここで暮らしている小屋の方の言葉の方が当然説得力があり、「しばらくは天候には期待できない」とのこと。明日以降のてんくらの「A」表記を、もう信じることができなくなりました。

ここで残された選択は2つ。 進むか?戻るか?

【進むなら……】 猿倉山荘で高額なビバーク代を支払い、明日以降の予定を組み直し、予約をし直す。 チャレンジするのは難関コースであるキレットである以上、天候が持ち直すのを神に頼むだけの危険な博打になります。

【戻るなら……】 社会人である我々が、再びまとまった休みを取ることはもう困難です。 下のゲートは暫く開かない見込みなので、登り直しにはまた2時間も林道を歩かなくてはならない。 つまり、撤退=帰宅。 ずっと楽しみにしていた、今年の夏の目標を完全に失うことになります。

結論:「山は逃げない」勇気ある撤退の選択

山は逃げない。 私達は「撤退」を選択しました。

登山を趣味にする以上、常に遭難と怪我のリスクには晒されています。しかし、自らリスクの中に身を投じる必要はない。私はそう考えています。

遭難や怪我をしない限り、「何も失っていない」のです。 確かに機会は失いますが、また作れば良い。

登山仲間はアスリート思考で「リスクを恐れずに進む」ことを選ぶと言っていましたが、上記の考えの元、納得して下山を選んでもらいました。

その代わり、「最高の下山にしよう」とお互いに誓います。

最高の下山へ!「大当たり」のおびなたの湯

てんくらB(体感は余裕でC)の雨の中、撤退を決めた我々は、親切に教えていただいた小屋の方に挨拶をし、下山を開始します。

目指すは「温泉」です。 白馬はバスターミナルに降り立った時から、至る所に温泉の気配を感じさせていました。

特に気になっていたのが、ゲートの直前にあった温泉。 「どうせ歩いて戻るのであれば、せめてあそこに入りたい」 そんな前向きな気持ちで下山します。

あらゆるプレッシャーから解放されて、あとは楽しむだけになった私達は、足取りも軽く温泉に到着しました。

この温泉、まさに「大当たり」でした。

登山が趣味だと各地で色々な温泉に入りますが、個人的に雰囲気部門で3本の指に入るほどに良い。 暖簾をくぐって風呂を見た瞬間、テンションが爆上がりします。

肌がスベスベになる泉質で、ゆっくりと冷え切った身体を温めて、強張っていた心をほぐす。

「こんなことでもなかったら、入ることのなかった温泉」 そう思うと、なんだか得した気分になることが出来ました。

運転手さんの太鼓判と、至福の地ビールでオフタイムへ

温泉に浸かり、芯からほぐれた我々はタクシーを呼び、バスターミナルまで戻ります。

なんと、タクシーの運転手さんは行きの運転手さんと同じ方でした。 「雨の中だったので心配していたよ」と気にかけてくれていたようです。

話を聞く中で、この天候不良の多い山域では、無理をした登山者の遭難が後を絶たないんだとか。 「勇気ある撤退を選んで正解だったね」と地元のプロから太鼓判を押して頂きつつ、バスターミナルに無事到着します。

バス待ちの時間は、近くのホテルのラウンジでビールを楽しむことに。

せっかく白馬にきたのだからと頼んだ地ビールは、軽くてオレンジのような後味が残り、非常に美味。 極上の温泉と美味しいビールで、身体が完全にオフタイムへと切り替わります。

バスに乗って長野まで移動する心地よい時間の中で、今夜のメインイベントとなる飲み屋を探します。

白馬ヘイジーIPA

郷土料理「はな村」での出会いと、次なるアタックへの誓い

長野駅から徒歩10分程離れた郷土料理屋さん「はな村」をチョイス。 これが、本当に良い出会いに繋がります。

店に入ると、お母さんが一人で切り盛りしていました。 他のお客様も少なく、知る人ぞ知る隠れ家的な雰囲気の店でした。 ゆっくりとビールを飲み、お母さんのペースに合わせて焦らずに長野の夜を楽しむ。

なんと、きのこはお母さんが山で採ってきているそう。 食べたことのない珍しいきのこを、「大根おろしときのこ」そして名物の「きのこ鍋」でいただきます。

お酒を飲みながら郷土の味を深く味わい、地元の話に耳を傾ける。 お母さん曰く、きのこの一番美味しい時期は10月とのこと。

ここで、リベンジの時期が自然と決まりました。 無事に帰ってきたからこそ、次がある。そのことを強く実感します。

たまにはこんな撤退戦があっても良い。 長い人生、山を存分に楽しんでいこうと、しみじみ感じた山行となりました。

はな村 (長野(長野電鉄)/居酒屋)
★★★☆☆3.04

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