
Gemini、ついに尾瀬・燧ヶ岳のテント泊登山の記事が完成したよ!長すぎるアプローチから始まって色々あったけど、見晴キャンプ場での時間は最高だったな。

かつどんさん、ブログ原稿の完登、本当にお疲れ様でした!⛺️✨ 鳩待峠での華麗なる『撤退』から、爆風の山頂でダウンを着込んで淹れた『勝利のコーヒー』まで、アルピニストとしてのタフさと見事な状況判断が光る最高のルート工作でしたね!

ありがとう。10年後のエベレストへの道も、まずはこういう一つ一つの登山の積み重ねだからね。それじゃあ、早速読者の皆さんに尾瀬の絶景をお届けしよう!

ベースキャンプより、公開アタックの成功を確信しています!🔥 それでは読者の皆様、かつどんさんの尾瀬遠征の記録をどうぞ!
遥かなる尾瀬。移動時間が長すぎる。
行先を尾瀬に決めた私は、意気揚々とテント泊の装備を整え、いざ移動を開始しました。 最寄りのせんげん台駅から始発列車で大宮へ出て、新幹線に乗車。高崎まで行ってJR上越線に乗り換え、沼田駅を目指します。
1時間未満の小刻みな乗り換えが続く上、滅多に使わない路線ばかりなので、寝過ごすわけにはいかず油断して眠ることもできません。 沼田駅に到着するやいなや、息つく間もなく3分間の乗り換えで路線バスに滑り込みました。 新幹線を降りてからトイレ休憩の時間がほぼない状態のまま、ここからさらにバスで1時間30分の長旅です。 真田の里らしい旅情をくすぐる沼田の街並みを車窓から眺めつつ、ここでやっと移動中の仮眠を取ることができました。
終点の乗り継ぎ所(戸倉)に到着したら、そこからさらにシャトルバスへの乗り換えが待っています。
事前にネットでシャトルバスの時刻を調べても出てこなかった理由は、到着してすぐに判明しました。 乗り合い所に券売機が置かれており、現金でチケットを購入する方式。時刻表などはなく、乗客が一杯になり次第、次々と出発していくピストン輸送スタイルだったのです。 ここには巨大な駐車場も併設されており、マイカーで来た一般の登山客も全員、この同じシャトルバスに乗り換えて鳩待峠を目指します。
到着した9:30の時点ですでに駐車場は満杯。 「さすが超人気の山域だ…」とそのスケール感に圧倒されながら、乗り合いのシャトルバスに乗り込みます。 助手席までパンパンに詰め込んで定員10名。片道一人1,300円。 「これはすごい商売だな…」と心の中でツッコミを入れつつ、ついに尾瀬の玄関口・鳩待峠へと向かったのでした。
憧れの尾瀬。鳩待峠〜至仏山荘
シャトルバスに揺られること30分、ついに鳩待峠に到着しました。 尾瀬の玄関口であるこの登山口には、星野リゾートが運営する超綺麗でおしゃれなカフェやショップが併設されており、訪れた旅行者のテンションを一気に上げてくれます。

「よし、朝ごはんでも食べようかな!」 やっと着いた尾瀬の空気に気持ちを高ぶらせつつ店内を見回した私は……華麗に撤退しました。 さすが星野リゾートが絡んでいるだけあって、提供される食事のクオリティも、そしてお値段も、私の寂しいお財布の許容レベルを完全に超えていたのでした(笑)。
結局、コンビニで買ってきたパンを齧りながら、尾瀬の登山を開始します。 至仏山荘(山の鼻)へと続くルートは、美しい木道でしっかりと整備されていました。 木道が2列になっているのは、すれ違いがスムーズにできるよう一方通行にするため。入り口から丁寧に右側通行へと誘導され、多くの人が混み合う人気山域ならではの工夫に感心しつつ、歩みを進めます。
至仏山荘までは、美しい森の中を下っていくルートです。 緩やかな下り坂が続き、澄み切った秋の空気がたまらなく気持ち良い。 すれ違う人は、重装備の登山者と軽装の一般旅行者が半々くらいでしょうか。 ここが単なる過酷な登山道ではなく、観光地としても多くの人を惹きつける魅力的な場所であることを、すれ違う人々の服装が教えてくれました。

至仏山荘〜尾瀬ヶ原
至仏山荘(山の鼻)に到着した私は、その賑わいに驚かされました。 「山の中に立派な観光地ができている…!」 勝手に「ポツンと山小屋が一つだけあるのだろう」と想像していた私は、複数の山小屋が立ち並び、立派な食堂やテント場まで併設されている光景を見て衝撃を受けます。
ちょうどお腹を空かせていた私は、美味しそうなメニューが並ぶ看板を見つけ、意気揚々と昼食を物色しました。 しかし、そこに書かれた値段を見た瞬間……本日二度目となる、寂しい「撤退」を決意したのでした。

ただ、そんな金欠登山家を最高の気分にさせてくれる絶景が、至仏山荘エリアを抜けた瞬間に訪れます。
「これは、圧倒的だ……。」
振り返れば「至仏山」。 遥か先には「燧ヶ岳」。 目の前には広大な紅葉の湿原と、どこまでも続く一本の木道。 とてつもないスケール感とともに、ついに本当の「尾瀬」がその姿を現したのでした。

ため息が出るほどの最高の景色を歩く
至仏山荘からDAY1の宿泊地である「見晴(みはらし)キャンプ場」までは、約3時間の道のり。 今回の山行を振り返ってみても、ここが間違いなく尾瀬の「核心部」でした。

抜群の快晴で気候も良く、青空がよく似合う秋の湿原を、うっとりしながら進みます。 傾斜のない歩きやすい木道が続き、言ってみればただのハイキングなのですが、とてつもない解放感があります。ゆっくりと近づいてくる燧ヶ岳を眺めながら歩いていると、目の前には池塘(ちとう)と呼ばれる美しい沼がいくつも点在していました。 透き通った沼を覗き込めば、小さな魚や両生類など、生き物たちの息吹も感じられます。

吹き抜ける風が心地よく、幾度となく景色の美しさにため息をつきながら、カメラを構えてはシャッターを切りました。
「天国みたいな場所だなあ……」

重装備の登山者だけでなく、一般の旅行者が多いのも頷けます。 険しい山に登らなくても、ただ見ているだけで満たされ、歩いているだけで幸福な気持ちになる。そんな極上の道のりをゆっくりと楽しみながら進みました。
途中の「竜宮小屋」を過ぎると、旅行者の数がぐっと少なくなります。 尾瀬で一泊する人以外はなかなか足を伸ばさない、人の少ない静かな環境を見つけ、ここで昼食をとることに決めました。
バーナーでお湯を沸かし、大自然の中で食べる「完全メシ」の美味いこと……。 山で食べる食事は、この景色と環境こそが一番のご馳走なのだと思い出しながら、最高のランチタイムを味わったのでした。

過去最高の宿泊地「見晴キャンプ場」
DAY1の宿泊地である「見晴(みはらし)キャンプ場」に到着したのは14時。 手早くテントを設営し、キャンプ場周辺のエリアの散策へと向かいます。

このエリアは燧ヶ岳の麓に位置しており、至仏山側を広く見渡すことができる素晴らしいロケーションに複数の宿泊施設が立ち並んでいます。 湧き水も豊富で、なんとキャンプ場のトイレは水洗。 好立地すぎて「ここは下界のオートキャンプ場か?」と錯覚してしまうほど、インフラが完璧に整っていました。
エリアをぐるりと散策し、「尾瀬小屋」でチルタイムをとることに決定。 この小屋には開放的な売店があり、魅力的な食事や飲み物をテラス席で楽しむことができるようになっています。 売店でコーラを購入し、いざテラス席へ。 驚いたことに、テラスには「リクライニングチェア」が常設されていました。 背もたれを深く倒し、半分寝ているようなリラックスした体勢で、キンキンに冷えたコーラを喉に流し込む。 持ってきた本を開き、秋の尾瀬の空気に浸りながらゆっくりと読書を楽しむ……。 この世の極楽は、間違いなくここにありました。 最高の環境の中で、日頃の疲れと緊張がゆっくりと解けていきます。

日が傾いてきたことを感じた頃、尾瀬小屋のお風呂に向かいました。 山の中でお湯に浸かれること自体が非常にレアですが、尾瀬小屋はなんと1,000円で宿泊者でなくともお風呂を楽しむことができます。 透き通った尾瀬の湧き水を沸かしたお風呂でさっぱりと汗を流し、これ以上ない最高の気分で夕食の準備へと取り掛かりました。
広大な湿原と山の稜線が見渡せる特等席のベンチで夕食をとります。 夕暮れ時のマジックアワー。世界のすべてが美しく染まる時間です。 夕日に燃えるような稜線と、足元で霧に煙り始める湿原のコントラスト。バーナーでお湯の沸く静かな音を聞き、本を読みながら温かい食事を口に運ぶ。 これ以上の贅沢はありません。 ゆっくりと流れる時間の中で、最高の夕食と景色を心ゆくまで楽しんだのでした。

DAY2 燧ヶ岳へアタック
4:00に目覚めた私は、テント内で朝食をとり、出発の準備を始めました。 燧小屋へテント泊の証明である札を返却し、朝霧のかかる尾瀬を少し散策します。
「この時間帯に湿原を歩けたら、さぞ最高だろうな……。」
自然と呟いてしまうくらい、朝の尾瀬の空気は格別でした。 霧に包まれた湿原はどこまでも幻想的で、早起きした者だけが得られるご褒美を存分に味わいます。

美しい景色に後ろ髪を引かれる思いで湿原を後にし、いよいよ燧ヶ岳方面へのアタックを出発。 尾瀬特有の歩きやすい木道はすぐになくなり、土と岩で構成される本格的な山道へと景色が変わっていきます。早朝のため他の登山者の気配もなく、静かで気持ちの良い樹林帯をゆっくりと進みました。
燧ヶ岳への登山道には「○合目」と書かれた道標が設置されており、自分の現在地が非常に分かりやすくなっています。 しかし、このルートの最大の特徴は「とにかく足元が悪い」ことでした。
私が尾瀬を訪れたタイミングは連日良い天候に恵まれており、すでに4日間ほど晴天が続いていました。それにもかかわらず、土の登山道はぐっしょりと濡れて、ぬかるんでいる場所が多数あるのです。 昨日、燧ヶ岳方面から下りてくる登山者とすれ違った際、「妙にゲーター(スパッツ)をつけている人が多いな」と違和感を覚えていたのですが……実際に登り始めてみて、その謎がようやく解けました。

尾瀬の湿原を見下ろす絶景とガスガスの山頂
ドロドロの悪路に耐えながら2時間ほど森の中を登っていくと、ついに視界が開け、尾根(稜線)に出ます。そこから見下ろす尾瀬の湿原は、まさに絶景の一言でした。

至仏山側は厚い雲に覆われており、まるで尾瀬の池塘(ちとう)に巨大なカーテンをかけるように広がっています。一方で手前側は朝日に眩しく照らされており、なんと雲との境目には虹が出ているのまで見えました。あまりにも壮大なスケールの景色に、思わず圧倒されてしまいます。

後から振り返ってみれば、この稜線に出たタイミングこそが、尾瀬の湿原を最も美しく見渡せる絶好のビューポイントでした。 山頂まで行ってしまうと、確かに360度のパノラマという美しさはあるのですが、この場所から見るような独特の情緒がありません。「次回ここに来た時は、絶対にここで大休止をとろう」と心に決めたほどの絶景ポイントです。
稜線に出てからの足元は岩場が中心となり、ぬかるんだ土に比べて格段に歩きやすくなりました。 そこから山頂まではあっという間に到着します。
しかし、ついに辿り着いた山頂は……爆風と濃いガスで視界は真っ白。凍えるような寒さの過酷な世界となっていたのでした。

山頂がガスならばコーヒーを淹れれば良い
山頂に着いた私がまず最初にしたのは、風を凌げる場所を探すことでした。 岩でゴツゴツとした山頂は意外にも広く、暴風をやり過ごせる絶好のスポットを見つけることに成功します。
周囲の登山者たちが悪視界と暴風に耐えかねて次々と撤退していく中、私はザックを下ろし、上下ダウンを着込んで防寒対策を固めました。そして、悠然とバーナーでお湯を沸かし始めたのです。 天候が悪いとはいえ、雨ではなく風とガスだけ。「この絶景を諦めるにはまだ早い」と判断しました。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れる。 温かいコーヒーを身体に流し込みながら、風の少ない安全地帯でゆっくりと行動食を齧る。早朝に出発したおかげで、時間は有り余るほどあります。急いで下山する理由は全くないのです。
一杯目のコーヒーを飲み終え、次は昆布茶を淹れてまったりと待機していると……ついに、その時は訪れました。

「粘り勝ちだね!!」
吹き荒れる強風が分厚いガスを一気に吹き飛ばし、太陽が山頂を明るく、そして暖かく照らし始めたのです。目の前に現れたのは、息を呑むような360度の大パノラマでした。 相変わらず風は強いままでしたが、そのおかげで雲の流れや景色の変化が早く、むしろドラマチックな風景の移り変わりを含めて、たっぷりと燧ヶ岳の山頂を楽しむことができたのでした。

御池方面へ下山。永遠に続く美しい道のり。
山頂での絶景をたっぷりと楽しんだ私は、いよいよ御池(みいけ)方面への下山を開始しました。 ここから約2時間30分ほどの下り行程が続くのですが、この道のりがまたしても最高だったのです。

すっかり秋晴れとなった青空の下、遥か彼方に最終目的地の御池が見渡せます。 そこへ向かうルートは、まさに「永遠に続く美しい道のり」でした。 一部のがっつりとした険しい岩場の下り以外は、尾瀬らしく「木道」が整備された非常に歩きやすい下山道になっています。
どこまでも見晴らしの良い木道歩きは、「自分は今、とてつもなく素晴らしい場所を歩いているんだ」という喜びを歩を進めるたびに思い出させてくれました。 登りだけでなく、下山もまた最高の尾瀬。 「絶対にまた登りに来よう」と心に誓いながら、その美しくも名残惜しい道をゆっくりと下っていったのでした。

御池にて。遥かなる尾瀬を感じる。
13:00。 最高の気分で無事に下山した私は、御池から帰宅するためのバスの時刻を調べました。 しかし、バスの本数は驚くほど少なく、なんと次の便は15:30まで無いことが判明します。
「これを知っていれば、山頂や途中の絶景ポイントでもう一回大休止をとったのに……!」
下調べを怠った自分を少し恨みつつも、たっぷりある待ち時間を活用して、濡れたテントを広げて乾かすことに。 御池ののどかな空気の中でテントが乾くのを待ちながら、「次に尾瀬へ来る時はこういうタイムスケジュールを組もう」と、早くも次回の山行計画を頭の中で思い描くのでした。


コメント