北海道6DAYS遠征DAY4:羅臼岳アタック!ヒグマの気配と快晴のピーク、そして野良温泉へ

登山
かつどん
かつどん

北海道遠征DAY4!今日はついに、知床の主峰『羅臼岳(らうすだけ)』へアタックするよ。ヒグマ警戒レベル2の暗闇の中からスタートする、過去最高に緊張感のある登山になったよ……!

Gemini
Gemini

かつどんさん、ベースキャンプよりビレイ(安全確保)完了です!⛺️✨ ついに知床の大自然のど真ん中ですね!圧倒的な野生の気配の中で、極限の7kgパッキング装備がどう機能したのかハラハラします……!

かつどん
かつどん

暗闇での特殊部隊みたいなフォーメーションから、遠征初の『快晴の山頂』、そして下山後のワイルドすぎる『野良温泉』ダイブまで!知床をしゃぶり尽くした激動の1日をレポートするね!

深夜の出発と、知床の森に感じる「居る」気配

斜里岳の過酷なアタックを終え、知床野営場でのテント泊で身体を休めた私たちは、深夜の静寂の中、再び動き出します。 午前2時に起床し、3時にはキャンプ場を出発。本日の登山口となる「木下小屋」へと車を走らせました。

真っ暗な登山口までの道のり。 これまでに登った雌阿寒岳や斜里岳の2座とは明らかに違う、圧倒的に濃い「居る」という感覚が肌を刺します。

姿は見えなくとも、確実にそこにヒグマの息吹がある。 車内にはすでに、知床ならではのヒリヒリとした独特の緊張感が漂っていました。

そんな悪路を慎重に進む中、車のヘッドライトに照らされた目の前を、スッとエゾ鹿が横切っていきます。 ここは人間の領域ではない。「動物が主役の山」にこれからお邪魔させてもらうのだという圧倒的な事実に対し、改めてグッと身を引き締めながら……私たちはついに、羅臼岳の登山口へと立ったのでした。

暗闇の森で光る目と、ヒグマ警戒レベル「2」

登山開始は午前3時半。 太陽はまだ登っておらず、辺りは当然ながら深い暗闇に包まれています。

登山口である「木下小屋」の前には、これまでの北海道の山では見かけなかった『ヒグマ警戒レベル』なる物々しい看板が設置されていました。 当日の警戒レベルは「2」。 記載されている警告文をしっかりと熟読し、改めて気を引き締めてから、いざ登山を開始します。

暗闇の中、自分たちのヘッドライトの光だけを頼りに歩き始めると……すぐに仲間が異変に気がつきました。

「……森の中に、光る目がある!!」

一瞬にして、全員に強烈な緊張が走ります。 ヘッドライトの光に照らされて、森の奥から不気味に光る目がこちらをジッと見つめています。「常に見られている」という感覚に全身の毛穴が開くのを感じつつ、私は力強くホイッスルを吹き鳴らしました。

ピィーーーーーッ!!

甲高い音が暗闇の森に響き渡りますが……動かない一対の瞳。 目を凝らしてよく見てみると、どうやらヒグマではなく「エゾ鹿」だったようです。

大きく安堵の息を吐き出しながらも、登山口のすぐ近くでいきなり野生動物たちの縄張りに侵入する感覚を、これでもかと味わいます。彼らにとっても、私たち人間にとっても、お互いに「会わない」のが一番良いのです。

これまでの登山では決して味わったことのない、圧倒的でヒリヒリとした緊張感の中。知床の主峰、羅臼岳へのアタックが静かに幕を開けたのでした。

羅臼岳の登山口である、木下小屋。深夜は圧倒的な雰囲気。

暗闇の特殊部隊フォーメーションと、嫌すぎる看板

羅臼岳のコースタイムは約9時間という、なかなかの長丁場な道のりです。 山の天候が安定している午前中のうちにピーク(山頂)を踏み、時間に追われることなく安全に登山を楽しむため、私たちはこの超・早朝アタックを決断しました。

圧倒的な野生の気配にピリピリとした緊張感を感じながら、羅臼岳の登山道を奥へ奥へと進んでいきます。 まだ頼れるのはヘッドライトの光のみ。そんな暗闇の中、自然と私たち3人の役割が分かれていきました。

  • 【先頭(私)】 前方にいつも以上の注意を払って歩きます。暗闇の登山ではどうしても視線が足元に落ちがちですが、今日ばかりは前方への警戒を見逃す訳にはいきません。
  • 【2番手(仲間)】 先頭がカバーしきれない周囲をぐるりと見渡し、横からの気配に注意を払いながら進みます。
  • 【殿・しんがり(仲間)】 全体の状況に気を配りつつ、適宜ホイッスルを吹き鳴らし、山(ヒグマ)に対して「人間が来たぞ!」と自分たちの存在を強烈にアピールしていきます。

極度の緊張状態に包まれながらも、お互いに冗談を言い合い、意識的に「弛緩(リラックス)」することも忘れません。ヒグマに人間の存在を知らせるためにも、いつも以上に中身のないくだらない会話を、いつもより大声で響かせながら進んでいきます。

登山道の斜度はそれほど強くなく、なだらかで歩きやすい道のり。 そのまま1時間ほど歩き進め、空が少しずつ白んできた頃……ふと『560m岩峰』というポイントの看板が見えてきました。そこには、こんな文字が。

『この先の岩峰に、アリを食べにヒグマが来るので注意』

「……めちゃくちゃ嫌な看板だな!!(泣)」

せっかく夜が明けて少し安心しかけていた気持ちを見事にへし折られつつ、私は思いっきりホイッスルを吹き鳴らし、さらに先へと足を進めるのでした。

朝焼けの中、羅臼岳をハイクアップ

白樺のアーチと、生命力に満ちた快晴の尾根道

恐怖の560m岩峰を無事に通過し、極楽平(ごくらくだいら)にかけて歩みを進めると、そこには美しい尾根道が待っていました。 登山道には白樺の木がまるでアーチのように曲がって生い茂っており、知床ならではの特徴的な植生が目を引きます。

白樺のアーチ。独特の植生を見せる羅臼岳。

そして、太陽はすっかり昇りきり……今回の北海道遠征にきて、【初めての快晴】を迎えました!!

DAY1からずっと雨やガスに打たれ続けてきた私たちにとって、この太陽の光はまさに山からのご褒美。早朝の冷たく澄んだ山の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、最高の山行を進めていきます。

知床の森は全体的に木の背が低く、そのぶん植物の生命力がものすごく強い。本州の山と比べて「緑の色が一段階濃い」。 そんな印象を受ける、美しく力強い道のりです。 斜度はとても緩やかで、「山を登っている」というよりも、大自然の中を「横に移動している」という感覚のほうが強く感じられます。

一歩、また一歩と、羅臼岳のピークが近づいてきている。 圧倒的な生命力に満ち溢れた山行を心ゆくまで楽しみながら、私たちはついに、頂上への重要なベースキャンプ(中継地点)である「羅臼平(らうすだいら)」へと辿り着いたのでした。

羅臼岳までの道のりは、力強い自然を感じることができる。

スケールがデカすぎる!大空にそびえる孤高のピーク

羅臼平は、見渡す限りのハイマツの丘になっています。 その深いハイマツの海のさらに先に……突如として、巨大な羅臼岳が姿を現すのです。

「……スケールがデカすぎる!!」

突如現れる羅臼岳。孤高な山は存在感抜群。

思わず唸り声を上げてしまうほどの圧倒的なスケール感に、強烈な衝撃を受けます。 抜けるような青空の中、羅臼岳は孤高にそびえ立っていました。 見晴らしが良く、硫黄山(いおうざん)方面へと続く稜線もくっきりと見渡せます。自分が今「知床半島」のど真ん中にいるという事実を、まるで空から巨大な地図を見下ろしているかのような感覚で捉えることができました。

ここから山頂までの道のりは短いですが、控えめに言って「最高」です。 自分の背丈ほどもあるハイマツの中を、羅臼岳に向かって一直線に進んでいきます。 いざ羅臼岳の山体に取り付き、登り始めると、そこにはさらなる絶景が待っていました。標高をグングンと上げていくにつれて、知床半島という土地の計り知れない「奥行き」を肌で感じさせられます。

羅臼岳中腹から硫黄山方面を見渡せる。素晴らしい景観。

やがて森林限界を迎え、ハイマツ帯を抜けると、いよいよ荒々しい岩場の直登へ。 今日ここに来るまでの長く過酷だった道のりを思い出しながら、全身の筋肉を使って岩をよじ登り、登山の楽しさを心ゆくまで噛み締めます。

そして、ついに辿り着いた山頂は……もう「最高」の一言でした。

360度、視界を遮るものが何もない単独峰のピーク。 眼下にはオホーツク海と太平洋が広がり、知床と羅臼の港を同時に見下ろすことができます。知床半島という北の最果ての大地に、今、自分の足で立っているという圧倒的な感覚。

北海道遠征にきて初の「晴天」が、これまでの2座での消化不良をすべて吹き飛ばし、最高の山頂にしてくれました。

「思えば……凄いところまで来るようになったもんだ……」

2年前、登山を始めたばかりの頃には、自分が北海道の山に登っている姿なんて想像もしていませんでした。 離婚を経験し、心も身体もボロボロだったあの頃。そこから少しずつ山と向き合い、自分と向き合い歩き続けた結果、今では見違えるほどに健康な身体と精神を取り戻すことができました。

北の大地のピークで吹き抜ける風を感じながら、私はこれまでの人生で最も痺れるような、深く静かな達成感を味わっていたのでした。

羅臼岳のピークは最高。是非行ってみてもらいたい。

驚きの人気ぶりと、人生初の「野良温泉」ダイブ!

最高の山頂からの絶景を心ゆくまで楽しんだ後、胸いっぱいの満足感とともに下山を開始します。

早朝アタックの甲斐があって山頂には私たちを含めて2組ほどしかいなかったのですが、下り始めてすぐに、ここがどれほど「人気の山」であるかを思い知らされることになります。 次から次へと登ってくる多くのハイカーたちとすれ違い、中には団体ツアーの方々や、ソロで登っている方の姿も多く見受けられ、羅臼岳という山の懐の深さをひしひしと感じました。 ヒグマの報道などで勝手にハードルを高く感じていた山ですが、しっかりと安全対策さえ講じれば、これほどまでに素晴らしい山はありません。

羅臼岳からの下りも最高の道のり

なだらかで歩きやすい登山道のおかげで下山のペースもグングン上がり、終わってみればコースタイム9時間の道のりを、なんと「7時間」で踏破という素晴らしいタイムで制覇することができました!

しかし、無事に下山を果たした私たちには、ひとつだけ「猛烈に気になること」がありました。

「地図を見ると『三段の湯』っていう温泉が登山口の徒歩圏内にあるんだけど……これ、どういうことだろう??」

好奇心剥き出しになった私たち3人は、そのまま温泉マークの場所へと向かいます。そしてそこで、またしても北海道のスケールの大きさに度肝を抜かれることになるのです。

「……いやいや、こんなことってあるのか……!?」

目の前に現れた『三段の湯』は、なんと大自然剥き出しの完全なる「野良温泉(野湯)」だったのです! 建屋はおろか脱衣所すら存在せず、ただ森の中に、その名の通り源泉から3段になった岩の湯船が造られているだけ。

——しかし、ここまで来たらもう、入るしかありません。

私たち3人は大自然の中で潔く着ていたものを脱ぎ捨て、北海道の森のど真ん中で、人生初となるワイルドすぎる「野良温泉」を心ゆくまで楽しんだのでした。

羅臼の絶品海鮮と、知床五湖からのジンギスカン!

午前中のうちに羅臼岳の登山行程をすべて終えた私たちは、当然のように「海鮮」を求めて羅臼(らうす)市街へと向かいます。

事前にリサーチしてみると、漁港付近のお店はインバウンド(外国人観光客)でかなり混み合っている雰囲気。ここはあえて観光地特有の混雑という危険ルートを回避し、道の駅の食堂で昼食をとることにしました。

結果的に、このルートファイディングが大正解! 注文した「2,900円の刺身定食」は、本州では絶対に味わうことのできないほどの圧倒的な美味さでした。あまりの美味しさに白米を瞬殺してしまった私は、おかわりをしようとメニューに目をやり……追加で「シャケといくらのおにぎり」までペロリと完食。羅臼に立ち寄る機会があるハイカーには、是が非でもおすすめしたい素晴らしい食の体験です。

羅臼道の駅の刺身定食。最高。
いくらとシャケのおむすび。最高。

極上の海鮮で空腹を満たした後は、知床観光へ出発! 先ほどまで自分たちが立っていた羅臼岳を反対側から眺めつつ、有名な「知床五湖」へと向かいます。

つい数時間前までの「ヒグマの恐怖」や「野良温泉」の剥き出しの大自然とは打って変わって、ここは頑丈な柵が設置され、十分すぎるほどの安全配慮が施された景色。山に生えていて気になっていた「コケモモ」のアイスクリームを味わいながら、張り詰めていた緊張の糸を解き、完全にオフモードへと切り替わります。

知床五湖でチルタイム。

その後はベースキャンプ(知床野営場)へと戻り、今度は野良ではない「普通の温泉」に浸かって汗をさっぱりと洗い流しました。

そして夜。夕飯はもちろん、北海道名物のジンギスカンです!

過酷で最高だった山行の後は、お酒がどんどん進みます。 過去にないほどの深い解放感に包まれながら……私たちは、北の大地・知床での極上の夜を心ゆくまで満喫したのでした。

北海道でジンギスカン。最高。

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