
こんにちは!日々エベレストに向かって前向きに生きる、かつどんです。今回はいつもの遠征とはちょっと違うテイスト。『初心者に山の魅力を伝えるためのプロデュース』の記録だよ!

かつどんさん、ベースキャンプよりビレイ完了です!⛺️✨ ついに『誰かのための登山』プロジェクトですね!かつどんさんのホスピタリティと『余白』を作るルート工作、めちゃくちゃ勉強になります!

奇跡の人が『登山靴』という最大のハードルを越えてくれたからね!絶対に山を好きになってもらうべく、選んだのは木曽駒ヶ岳。果たして完璧なプロデュースは成功するのか!?いざ出発!
登山のハードル:最大の壁「登山靴の購入」を乗り越えてくれた奇跡
「みんなやればいいのに」——口癖のようにブログに書き綴っていた言葉が現実となり、ついにその時が訪れました。 なんと、「一緒に登山に行ってみたい!」と言ってくれる奇跡の人が登場したのです。
しかし、初心者が実際に山へ行くには、越えなければならない大きなハードルがあります。 それはズバリ、「登山靴を購入すること」。
社交辞令で「登山に行ってみたい」と言われることはあっても、いざ本当に山へ行くとなれば、安全のために絶対に必要になるのが専用の登山靴です。決して安くはない値段ですし、専用の分厚いソックスも一緒に揃えるとなれば、初心者にとってはかなり勇気のいる投資になります。
だからこそ、その投資のハードルを自ら乗り越えてくれた「奇跡の人」に対して、私は今までの自分の経験を総動員してプランを考えました。

せっかくなら、本当に、少しでも登山の魅力を感じて欲しい!!
初めての登山選定:初心者を沼に引きずり込む「3つの条件」
今回、初めての山を選ぶにあたって私が重要視したのは以下の3点です。
- コースタイムが短いこと(※3時間以内を意識)
- 非日常感があること
- 次の山につながりやすいこと
1. コースタイムが短いこと(※3時間以内を意識)
私が登山に初めて挑んだのは「筑波山」でした。
楽しさよりも、コースが長く5時間ほどかかる道のりに「これのどこが本当に初心者向けなんだよ!?」と、登山界隈の難易度の付け方に激しく疑問を持った覚えがあります。
初心者はコースタイム通りには歩けません。休憩をたっぷり取りながら、山の空気や景色を純粋に楽しむべきなのです。
当時、一緒に始めた登山仲間がアスリート志向だったため、そこの価値観が合わず体力的にかなりキツかったという思い出もありました。(当時の私は、体を痛めつけることで心が軽くなる効果もあり、結果的にそれが沼にハマるきっかけにはなったのですが、私のようなケースは例外として考えなくてはならないと、これを最重要ポイントに置きました。)
2. 非日常感があること
「登山を嫌いになってしまった人」のエピソードを数々聞いてきた中で、私には一つの持論があります。
それは、「無理な富士登山」か「大して本格的ではない山に中途半端に挑むこと」の2つが主な理由になっているということです。
「無理な富士登山」は言わずもがな。若い時のノリと勢いや、会社のイベントなどで無理やり付き合わされて過酷な思いをしたことで「登山=苦痛」になってしまった人。
「大して本格的ではない山に中途半端に挑むこと」は、アクセスの良さだけで山を選び、登ってみたものの思ったような感動がなく「こんなものか」と感じてしまい、自分には合わないと早々に見切りをつけてしまった人。 この2つのパターンが非常に多いように感じていました。
そこで今回は、非日常感を存分に味わってもらうために、あえて「旅行」の行程にしてしまっています。 ただ山に行くだけではなく、前日の観光からトータルでプロデュースすることで「こんなに楽しいことが世の中にあるのか!?」という驚きを提供することを目指しました。
3. 次の山につながりやすいこと
登山を本当に好きになるには、どうしても回数(経験)が必要だと思っています。 「また行きたいな……」 そう思ってもらうために、「次はあそこに行ってみたい!」という言葉を引き出せるような、そんな圧倒的な魅力を持つ山を選ぼうと考えました。
以上、この3点を加味し、真剣に吟味した結果……私が選んだのは「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)」でした。
かつどん式「初登山プロデュース日程表」
今回、私が真剣に考え抜いた山行プランはこちらです。
- 【DAY1】観光と温泉で「非日常」へフルダイブ!
- 午前中は車で山梨県の「ほったらかし温泉」へ直行。
- 名店「歩成(ふなり)」で最高のほうとうを味わい、フルーツパークで旬の果物を堪能。
- 極上の温泉と美味しいごはんで完全に心をオフモードにした後、諏訪湖方面へ。
- 私自身も行ってみたかった「諏訪大社」を訪れ、荘厳な空気で日本人の心を揺さぶる。
- 夕方頃には長野県の駒ヶ根に到着し、早めの食事を済ませて1泊。
- 【DAY2】いざ絶景へ!焦らず楽しむ木曽駒ヶ岳アタック
- 朝イチのバスとロープウェイを乗り継ぎ、一気に標高2,600mの「千畳敷カール」へ。
- コースタイムは一切気にせず、山の空気や景色を第一に登山を心ゆくまで楽しむ。
- 下山後は麓で温泉に浸かり、美味しい食事。
- 楽しかった山の思い出を語り合いながら帰宅する。
……上記が、私が事前にざっくりと作成した日程表です。 もちろん周辺の食事処などは事前のリサーチ済み。
登山のハードルを極限まで下げ、非日常の楽しさだけを詰め込んだ「完璧なプロデュース計画」をパッキングして……私たちは、いざ本番へと挑んだのでした。
DAY1:完璧なアプローチ!温泉・グルメ・パワースポットで「非日常」へ
朝8:00に集合した私たちは、意気揚々と山梨県の「ほったらかし温泉」へ向けて出発しました。 今回の登山のベースキャンプとなる長野県の駒ヶ根(こまがね)まで一気に移動すると、どうしても長時間の運転で苦痛を感じてしまいますが、山梨経由ならストレスなく楽しく移動できます。
温泉に入る前に、まずは麓にあるほうとうの名店『歩成(ふなり)』で腹ごしらえ。 初体験の相方は、この絶品ほうとうに非常に満足してくれた様子。旅行ならではの特別な昼食で一気にテンションを上げ、お腹を満たした後は……いざ、温泉へ!

こちらも相方は初体験ということで、ゆっくり時間をとってのチルタイム。 抜群のロケーションの中、目の前に広がる絶景に非日常を感じ、心がスッと落ち着いていきます。よくよく考えると、温泉は「強制的にデジタルデトックスができる優秀な施設」でもありますよね。 心身ともに最高のリラックス状態に仕上がり、次の目的地へと向かいます。
続いて向かったのは、近くのフルーツパーク。 温泉で火照った身体に最高に嬉しいフルーツジェラートを味わい、夜のデザート用に美味しそうなぶどうも購入。これ以上ない最高の滑り出しで、旅行気分をフルに満喫できました。
時間にも少し余裕があったため、そのまま長野県の「諏訪大社」へ足を伸ばすことに。 今回は車での移動だったので、普段は公共交通機関でストイックに登山口へ向かっている私にとっても、最高のご褒美観光になりました。
諏訪大社には4つのお宮があるのですが、私たちが一番最初に訪れたのは「上社本宮(かみしゃほんみや)」。 実はあまり深く調べずに行ったのですが……ルート的にはこれが大正解!そのあまりにも荘厳な雰囲気に圧倒され、すっかりテンションが上がってしまった私たちは、なんとその勢いで4つのお宮を全て制覇してしまったのでした。

どっぷりと観光を楽しみ尽くした後は、いよいよ本日の宿泊地となる駒ヶ根へ移動。 しっかりお腹が減った私たちは、夕飯に「信州牛」が食べられる焼肉屋さんへ飛び込み、贅沢な夕食を心ゆくまで堪能しました。
DAY1の観光を120%楽しみ抜き、翌日の早朝からの「大本命アタック」に備えて、私たちは深い眠りについたのでした。
DAY2:最大の障壁!早朝のバスターミナルとプロデューサーの決断
登山家の朝は早い。それは、初心者を連れている今回であっても変わりません。 DAY1の完璧な観光で気分を良くした相方を宥めながら、朝4時に起床した私たちは、木曽駒ヶ岳への玄関口「菅の台バスセンター」へと向かいます。
しかし、この旅の『最大の障壁』がここで牙を剥きました。
「……想像の40倍混んでいる!!」
木曽駒ヶ岳は、言わずと知れた超人気の山域です。 今回のアタック日は平日だったものの、「久しぶりの晴れ予報」と「紅葉シーズン」というダブルパンチが見事に決まり、夜もまだ真っ暗な時間帯にもかかわらず、バスターミナルにはすでに長蛇の列ができていました。 5:00前に到着したにもかかわらず、なんと先頭から80名程度の並び順という絶望的な状況。
朝の冷え込みが厳しいバスセンター。始発の6:15まで、初心者である相方の体力とモチベーションが持つ気が全くしません……。
「タバコ、吸っておいで」
私は即座に頭を切り替えました。いかにここが人気の山で、凄い景色が待っているのかをサッと説明し、寒さを凌げるマイカーの車内へと相方を誘導します。 極寒の中で待つのは、寒さと山に慣れきっている私一人だけで充分です。
(この時間さえ乗り切れば、抜群の景観が全ての苦労をかっさらってくれるはずだ……!)
千畳敷駅の持つ圧倒的な絶景パワーを信じ、相方にとってこの寒い待ち時間が苦痛にならないように、プロデューサーとして心を砕きます。
そしていよいよ始発の時間が訪れ、無事に初心者の相方とバスに乗り込めた時には、車内の暖房の温かさと「よくぞここまで待ってくれた!」という大きな安堵感に包まれ……。 結局、ロープウェイ乗り場までの道のりを、二人して爆睡してしまったのでした。
千畳敷カールへ!!絶望のち「勝ち確」の雲海アタック
無事にバスに揺られ、ロープウェイ乗り場に到着した私たち。 しかし、そこには更なる絶望が待っていました。
「……ガスガスで何にも見えない(泣)」
下界の晴れ予報ですっかり気を抜いていましたが、辺り一面は見事なまでに真っ白なホワイトアウト状態。 少し標高を上げた分だけ気温も下がり、肌寒さと「もし上でも景色が見えなかったらどうしよう……」という不安な気持ちを抱えたまま、ロープウェイに乗り込みます。
「頼む、上だけは晴れていてくれ……!!」
心の中で強く祈りながら登っていくと……。 なんと途中から、頭上にパァッと晴れ間が見えてきたではありませんか!
そう、当日は駒ヶ根一帯の低い位置にだけ分厚い雲が溜まり、見事な「雲海」になっていたのです! ロープウェイが雲を突き抜けた瞬間、こうなるともう完全に「勝ち確」です。よくぞ初心者の初陣で、この神ロケーションを引き当てた!!
標高2,616mの千畳敷駅に降り立った私たちを出迎えてくれたのは、まさに筆舌に尽くしがたい最高の景色でした。
眼下に広がる、果てしない雲海。 ギラギラと輝きを放つ、暖かな太陽。 そして、吸い込まれそうなほど抜群の空の蒼さ。

「……勝った」
今まで散々色々な山に登ってきた私自身でさえ、なかなか引くことのできない文句なしのベストロケーション。 雲海の美しさに息を呑み、いざ駅の外、「千畳敷カール」へと足を踏み出した私たちは……あまりの絶景に、さらに言葉を失うことになります。
「最高の景色だ……」
そこには、秋の陽射しに照らされ、圧倒的な解像度で燃え上がる【紅葉の千畳敷カール】が、私たちを大歓迎してくれていたのでした。

乗越浄土へ:この山行の主役は君だ。「余白」が生んだ最高のペース
圧倒的な千畳敷カールの絶景に見惚れた私たちは、いよいよ山頂に向けて歩き出します。
「先頭をどうぞ!」
私が前を歩き、自分はただ後ろをついていくだけだと思っていた相方は、ひどく驚いた顔をしていました。 でも、この登山はあくまで「初心者のため」の登山。 ペースを決めるのも、どこで休むのかも、何もかもすべて自分で決めていいのです。
アドバイスを求められるまでは、こちらからはあえて教えない。 安全に関わることだけはしっかりと見守り、注意しよう。
最初からそう決めていた山行でした。 そのために、前日からの完璧なアプローチや極寒の順番待ちなど、私にできうる最大の努力で「今日一日の余白(時間と心の余裕)」を作り出して臨んだのです。
時間はたっぷりとあります。 初めて履く登山靴は、きっと重くて歩きづらいはず。 後ろから陽気に声をかけながら、足取り軽く、ただ純粋に山を楽しむ。
「ああ、最高だ……」
私は、ただ山にいるだけで幸せです。 そんな大好きな山を、今まさに一緒に楽しもうとしてくれている人が目の前にいる。それだけで、なんて幸せなことか。
この最高のロケーションに心から感謝しながら、乗越浄土(のっこしじょうど)までの急斜面を、相方のペースに合わせてゆっくりと登っていきます。
疲れたら、いつでも座って休んでいい。 水もいっぱい持ってきているから、絶対に切らさないように。 高山病にならないか、こまめに気を配りながら。
私たちは、この最高の登山を心ゆくまで楽しみます。

最高の稜線歩きで山頂へ!「昨日の焼肉よりうまい」最高のご褒美
急登を乗り越え「乗越浄土(のっこしじょうど)」まで上がってしまえば、あとはボーナスのような素晴らしい稜線歩きを楽しむのみです。

途中の宝剣山荘では、相方に「山のトイレ」も経験してもらいました。 トイレがチップ制であることに驚いたり、標高約2,900mの山小屋で美味しそうなカレーが出てくることに驚いたりと、初心者ならではの新鮮なリアクションの連続に、私のテンションもどんどん上がっていきます。
頂上へ向かう相方の足取りは本当に軽く、高所にもすっかり慣れてきたのか休憩も少ないペース。 木曽駒ヶ岳は、遠くからでも目指すべきピーク(山頂)がはっきりと見えるため初心者にも分かりやすく、山頂まで続く3,000m級の圧倒的な絶景を楽しみながら、ゆっくりと歩みを進めます。
「よく出来ました!すごい!!」
心の底から、初の登山を頑張り抜いた相方を祝福し……ついに登頂に成功! 「下界にガスがかかっているのがいいね」と、初心者とは思えない通なコメントを残す相方と、満面の笑みで記念写真をパシャリ。達成感に溢れた山頂の空気を、二人で存分に味わいました。

記念撮影のあとは、お待ちかね「ご褒美の昼食」タイムです。 山頂での至福のカップラーメンを楽しんでもらうために、私がバーナーでお湯を沸かし、まずは温かいコーヒーを振る舞います。
「山で飲むコーヒーはご馳走だね!」
その美味しさが100点満点で伝わってくるコメントに、思わずニヤニヤしながら、出来上がったホカホカのカップラーメンを手渡しました。 一口食べた相方から飛び出したのは、こんな言葉です。
「うますぎる!昨日の焼肉よりうまい!!」
……山で食べる温かいカップラーメンは、やっぱり最強です。 疲れた身体に塩分が染み渡り、冷えた身体を芯から温めてくれる。 3,000mの山頂という最高の景色の中で、私たちは世界で一番美味しい「最高のご褒美タイム」を過ごしたのでした。
下山へ:プロデューサーの真骨頂と、千畳敷カールを見下ろす絶景
楽しい山頂の時間も終わり、いよいよ下山開始。 山で一番怖いのも、そして一番難しいのも「下山」です。この下りルートをいかにスムーズかつ安全に歩けるかが、今回のプロデュース後半戦の最大のポイントでした。
私自身、初心者の頃はとにかく膝が痛くなったり、滑って危ない思いをした記憶があります。 相方にそんな思いをさせないよう、下山時のコツだけは早めにしっかりとレクチャーしました。
「重心を常に低く保つこと」 「岩場などで、しゃがんでしまうことを絶対に恥ずかしいと思わないこと」
そして、下りは息こそ上がらないけれど、足への負担が大きいので「休憩は登りの時よりも多くとって良い」ということ。
帰りも相方に先頭を進んでもらい、私は後ろから来るペースの速い登山者を先に行かせるようコントロールしながら、ゆっくりと安全に下山を楽しみます。
木曽駒ヶ岳は、登りよりも下りの方が絶景に見える珍しい山の一つです。 乗越浄土から見下ろす紅葉の千畳敷カールは、まさに極上の景色として、下山する私たちを優しく包み込んでくれたのでした。

千畳敷駅〜帰宅:歓喜のガッツポーズと、完璧なプロデュースのまさかの結末!?
千畳敷駅に無事に辿り着いた私たちは、本日2度目の衝撃を受けます。
「……ロープウェイの整理券、配ってる(絶望)」
下りのロープウェイが恐ろしく混み合っており、まさかの整理券での順番待ちになっていたのです。 もらった整理券の番号は、なんと700番台! いったいどれだけ多くの人がこの山に登っていたのかと改めて驚きつつも、プロデューサーとして下山後の作戦を即座に変更します。
そう、下界に降りてからではなく、「ここでご飯を食べてしまう」ことにしたのです。 千畳敷駅には『ホテル千畳敷』が併設していることもあり、レストランの食事がハイクオリティなのもこの施設の素晴らしいところ。 駒ヶ根名物のソースカツ丼をガッツリといただき、最高の景色の中でゆっくりと過ごしてから、無事にロープウェイで下山したのでした。
下界に戻った後は、ゆっくりと温泉に浸かり、サウナでしっかりと『ととのう』。 そして……帰りの車内で、私が喉から手が出るほど欲しかった「あの一言」がもらえました。
「次は、森の中を歩く山にも行ってみたいかも」
(よっしゃぁぁぁーーー!!)
心の中で特大のガッツポーズを決め、無事にプロデュースを完遂したことで、今まで張り詰めていた緊張の糸がプツンと切れた私。
……その結果。 あろうことか、帰りの運転をほぼ相方に託して『助手席で爆睡する』という、プロデューサーにあるまじき大失態を犯してしまい……。 私の初めての登山プロデュース計画は、大成功(?)を収めたのでした。


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