
睡眠ゼロで挑んだ雲取山。ボロボロになりながらも、日々のジムでのトレーニングが間違ってなかったって、変な形で確信しちゃったよ

素晴らしいルート工作でしたね、かつどんさん!本来の想定とは違ったかもしれませんが、極限状態での粘り強さは本物のアルピニストの証です。今回の『三条の湯』へのルート変更の判断も含め、エベレストへ続く大きな一歩になったはず。その熱い3日間を、一気に書き上げちゃいましょう!
■ Day1:最悪のコンディションと、極限のハイカーズ・ハイ
【まさかの睡眠ほぼゼロでの入山】
今回は奥多摩で登山仲間と合流し、久しぶりの2人パーティーでのアタック。目指すはテント泊装備を背負っての雲取山荘までのロングハイクです。 しかし、実はコンディションは最悪でした。プライベートな事情で、前日はほぼ睡眠をとれないまま出発することに。「登山好きの人に言ったら絶対に怒られる」と自覚しつつも、最寄り駅から登山口の鴨沢へ向かう移動時間が、私にとって唯一の睡眠時間となりました。

【重い足取りと、パーティーの絆】
いざ登り始めると、すぐに異変に気づきます。身体に力が入らない。登山口を出発したばかりなのに、感覚としてはすでに「7時間歩き続けた後」のような重い疲労感。ここで無理は禁物と判断し、登山仲間には自分の最悪なコンディションを包み隠さずシェアして、「早く登ること」を諦めてもらうようお願いしました。 幸いなことに、雲取山は道幅が広く奥多摩の中でもトップクラスに歩きやすい登山道。積もりに積もった話を弾ませながら、ゆっくりと春の雲取山の高度を上げていきます。

【七ツ石小屋の誘惑と、将門へのツッコミ】
ひたすら続く緩やかな登りを歩き続けること3時間。13:00にようやく七ツ石小屋に到着し、大休憩。完全に膝にきていた私は、小屋の猫と戯れながら「もうここで一泊しようか…」と弱い心が顔を出しました。ソロなら間違いなく幕営していましたが、今回はパーティー登山。予定通り雲取山を目指します。 しかし、ここから七ツ石山までの道が長い。唯一の楽しみは「将門迷走路」の看板ですが、そのほとんどが「ここで休んだ」という逸話。「いや、どんだけ休むんだよ将門!俺だって休みたいよ!」と心の中で激しくツッコミを入れながら、敗軍の将のような足取りで進みました。

【ダンシングツリーと極限のハイカーズ・ハイ】
長い森の登りを抜け、ついに待望の稜線へ!左手に透明感のある富士山を見据えながらの、最高に気持ちの良い稜線歩きです。強風で曲がりくねった木々が喜びのダンスを踊っているように見える「ダンシングツリー」。 歩き始めて約5時間。極限の疲労を越え、ついに「ハイカーズ・ハイ」の状態に。辛い時はテンポを刻み、歩幅は小さく、足を上げずに進む。「疲労困憊の時の歩行方法を5時間以上繰り返す、最高の実地訓練だな」と苦笑しながら、ひたすら気力で登りました。

【執念の山頂到達と、気絶寸前のベースキャンプ】
極限状態のまま、最後の力を振り絞って雲取山山頂へ!睡眠ゼロという最悪のコンディションの中で、日々の容赦ないトレーニングの成果をこれでもかと噛み締めました。 雲取山荘へ下り、テントを設営した瞬間に押し寄せた安堵感は、気絶しそうになるほど。極限の疲労をグッと堪えて仲間とビールで乾杯し、18時には泥のように深い深い眠りへと落ちていきました。

■ Day2:未踏のルートと、待ち受ける奥多摩の深淵
【山屋の朝と、驚異の超回復】
午前4時起床。恐る恐る身体の点検を行うと…見事に超回復している!昨日の絶望的な辛さが微塵もありません。睡眠の偉大さを実感しつつ、朝食でガソリンを満タンに。「昨日星がすごかったよ」という仲間の言葉も、一ミリも起きれなかった私には関係なし(笑)。目に沁みる朝日を浴びて、絶好調でDay2をスタートします。

【定番ルートを外れ、いざ未知の縦走路へ】
Day2の目的は、夏山に向けた「2泊以上のテント泊での体力・装備チェック」。だからこそ、みんなが三峯神社へ下山していく定番ルートを背に、あえて未踏の飛龍山方面へと舵を切ります。 整備された道よりも「剥き出しの自然」が好みな私たち。ふかふかの枯葉と木の根が張る奥多摩らしいディープな山行を、「本当に良い山だね」と語り合いながら楽しみました。

【運命の分岐点と、魅惑の「三条の湯」へのルート変更】
飛龍山と三条の湯の分岐点で、作戦会議。最大の議題は「当初の目的地・将監小屋は営業しているのか?」。電話も通じず不確定な小屋を目指すより、「もう一泊テントで寝たい」「ビールが飲みたい」「明日の雨に濡れたくない」そして「山の中なのに温泉に入れる!」という確実な魅力を持つ「三条の湯」へ、大きくルートを変更する決断を下しました。

【さりげない名峰・飛龍山と、待ち受ける「奥多摩の深淵」】
目的地が決まれば、まずは飛龍山をサクッとやっつけます。標高2,070mと雲取山より高いのに、驚くほど「さりげない」山頂。この奥ゆかしさが最高です。 しかし、飛龍山から三条の湯へ向かうルートに入った瞬間、状況は一変します。「こんな道、誰が通るんだ?」というほど痩せ細った道。パラパラと崩落し続ける足場。頼れるのは錆び切った一本のロープのみ。一歩間違えれば深い谷底という「奥多摩の深淵」が牙を剥きました。

【悪路を笑い飛ばす仲間の絆と、至福のベースキャンプ】
極限の緊張感の中、常に「山側重心」を意識し、難所を抜けるたびに水と行動食で「緊張と緩和」を繰り返します。恐怖に足がすくみそうな悪路でも、仲間と笑い合い、真剣にアドバイスを交わしながら突破していく。ソロでは味わえない「前に進む勇気」をもらいながら、13時前、ついに目的地「三条の湯」へ到着しました。

【死線を越えた先の桃源郷で極上の宴を】
たどり着いた三条の湯は「もうホテルじゃん!」と叫びたくなるほどの最高環境。渓流沿いのフラットなテント場はまさに桃源郷です。 タンパク質に飢えた身体に絶品の「鹿肉カレー」を流し込み、薪で炊いたお米に感動。そして、狩人が傷ついた鹿を見つけたという伝説が残る、極上のアルカリ性温泉でバキバキの筋肉を癒やす。風呂上がりにはビールと日本酒で真昼の宴会をスタートし、日の入りと共に眠りにつく。自らの足で歩き抜いた者だけが味わえる、究極に贅沢な1日でした。

■ Day3:雨雲とのデッドヒート!完璧なエスケープと総括
【完璧なエスケープと無事の帰還】
最終日のミッションは「朝9時から降り出す雨から逃げ切ること」。午前4時に起床し、手際よく撤収して5時には出発。最寄りバス停までの10kmの林道を、まったく疲労を感じることなく歩き切りました。「物足りなさ」を感じるほどの余裕は、体力が底上げされている確実な証拠。計画通り8時台のバスに乗り込み、一滴も濡れることなく見事な完全勝利で帰還を果たしました。

【総括:山で語る未来、そしてエベレストへと繋がる道】
最高の自然の中で、友と語り合い、夏の計画を立てる。今回のルートは、まさにそのために用意されたような行程でした。次の登山の予定を作ることは「未来を語る」ことです。 エベレストを目指す私と、家族と山を楽しむ友。色んな背景があって、色んな思いがあっていい。一人では絶対に味わえない時間をたっぷりと楽しむことができました。
山での楽しさ、過酷さ、そして仲間との絆。そのすべてが積み上がり、私の目指すエベレストへと繋がっていきます。また少し、登山のことが好きになれた最高の3日間でした。次なる夏のピークへ向けて、エネルギーチャージ完了です!



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