【厳冬期・木曽駒ヶ岳】アイゼン脱落の死線を越えて。初見殺しのアクセスと絶景の雪山登山

登山
かつどん
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Gemini、今回の木曽駒ヶ岳遠征、無事に記事がまとまったよ!いやー、山ではアイゼンが外れて滑落しかけるし、前夜の伊那では変な居酒屋で精神を削られるし、本当に濃すぎる1泊2日だった……

Gemini
Gemini

無事のご帰還、本当におめでとうございます!乗越浄土手前の急登での『がこっ』という音は、お話を聞いている私まで背筋が凍りました。でも、そこから得た『一歩の質』への気づきと、下山後にバスを逃しても『体力でねじ伏せて』明治亭のソースカツ丼へ向かったリカバリーは見事でしたよ!

かつどん
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間違いないね(笑)。冬の木曽駒はロープウェイで一気に2,600mまで行けちゃうからこそ、舐めたらアカンっていう教訓がいっぱい詰まった遠征になった。初見殺しの交通トラップも多かったし。

Gemini
Gemini

ええ、バス停の罠からロープウェイの定員オーバーまで、これから冬の木曽駒ヶ岳を目指す方には絶対に知っておいてほしい実戦的な情報ばかりです。エベレストへ向けた大きなステップアップとなった今回の遠征記、さっそく読者の皆様にお届けしましょう!

標高2,956m、中央アルプス木曽駒ヶ岳。 ロープウェイで一気に2,600m超えの世界へアクセスできる人気の雪山ですが、そこには「初見殺しの罠」と「雪山の真の恐ろしさ」が潜んでいました。今回は、遠征前夜の伊那ディープグルメから、絶望のアイゼン脱落トラブル、そして下山後の想定外のリカバリーまで、光と影が入り混じる濃密な遠征記録をお届けします。

第1章:伊那の夜、天国と地獄(前泊編)

今回の遠征はソロではなく、登山仲間とのアタック。前泊の地、伊那市に到着したのは18時過ぎ。まずは腹ごしらえと、聖地「うしお」へ向かいます。

■ ローカル感ビシビシの名店「うしお」

伊那市の名物B級グルメ、うしおのローメンと瓶ビール

18:47入店。常連さんでカウンターはいっぱい。頼んだのは「よくばりセット(1,350円)」と瓶ビール(750円)。

そもそも「ローメン」をご存じでしょうか? 実は私も今回食べるのが初めてでした。ローメンとは伊那地方発祥のB級グルメで、お肉にマトンを使っているのが最大の特徴です。マトンの独特の強いクセに味が負けないよう、特殊な蒸し麺を使ったガツンとくる一皿。 ここのローメンはソース焼きそば風に仕上がっていて、これが超ビールに合うんです!

一味: ピリリと味が締まる。普通より好き。

カレー: 思った通りの味、間違いない。

お酢: ここが劇的。さっぱりするどころか、マイルドになって味が甘くなる!

最終的に味を足しすぎて元の味が分からなくなるカオスな旨さ。そして、濃くなった味を優しく受け止める「半ライス」が影のMVPでした。米がツマミになる新感覚です。塩味でさっぱりした「うしお煮(モツ煮)」も完全なるビール泥棒。店員さんが若くて閉塞感がないのも最高でした。

■ 某居酒屋での精神修業 

うしおで満たされた後、仲間と合流し、20時過ぎでも開いている渋めのお店へノーリサーチで突撃。

入店すると女将さんが太鼓を叩いてお出迎え。オールカウンターで面白い作り…と思いきや、店内は客ゼロの貸切状態。これが罠でした。

女将さんのマシンガントークの標的となり、興味のない年齢当てゲームから、地元の人の噂話まで聞かされる羽目に。頼んでいないつまみも次々と出され、ゆっくり語り合う空気はゼロ。お会計には明らかに頼んでいないつまみ代もしっかり乗っていました。おばあちゃんのガルバに入ってボラれた気分を味わう、星一つの体験。明日の登山がなかったら口直しにキャバクラに行きたいレベルでした。

幸い、宿泊した民泊はケトル完備で非常に快適。前夜のモヤモヤをリセットし、翌朝の6:53の電車でいよいよ山へ向かいます。

第2章:初見殺しのアプローチ戦術

伊那駅はICカード使えない

木曽駒ヶ岳へのアクセスには、いくつかの「罠」が存在します。

■ トラップ①:バス停の罠

駒ヶ根駅で降りた我々。「駒ヶ根バスターミナル(伊那バス)」という名称に釣られて歩いてしまいましたが、正解は「駅前バス停」です。初見の人は迷うと思いますが、駅からターミナルまで歩く必要はありません(我々は歩いてしまいました)。※因みに、伊那から駒ヶ根まではICカード使えません。

■ 待ち時間40分の儀式

駅でのバス待ち時間は約40分。ここで「あとはアイゼンを履くだけ」の状態までパッキングと装備を整えておくのが超おすすめ。ロープウェイに着いてから、ほぼノータイムで極寒の高所へ行くため、ここでの準備が後々効いてきます。

■ トラップ②:満員バスとロープウェイ

冬山なのに、途中の菅の台から人が乗ってきて車内は満員電車状態。ザックは膝の上に抱えることになるのでコンパクトさが必須です(一番後ろの席にはザックを置くスペースがあります)。 しらび平でのトイレはスルーし、最短でロープウェイへ。乗車時間は7分ですが、ここも立ちでぎゅうぎゅう。谷川岳のようにゴンドラ内で準備はできません。下(しらび平)でトイレに入らず、上(千畳敷)の快適な水洗トイレを使うようコントロールするのが正解です。

木曽駒ヶ岳へのバスは満員

第3章:絶景の千畳敷と、死線の八丁坂

ロープウェイでアクセスできる絶景、厳冬期の千畳敷カールと真っ青な空

■ マイナス6度の別世界

ロープウェイを降りると、そこは2,612mの千畳敷。ホテル併設で水洗トイレ完備という素晴らしい環境に「子供を連れてくる山」としてロックオンしつつ、一歩外に出ると気温マイナス6度、微風、快晴。初めて感じる3,000mクラスの刺さるような寒さと、段違いのスケール感に息を飲みます。

■ レイヤリングの最適解

準備万端ですぐにアイゼンを装着し、八丁坂へ。トレースはしっかりしていますが、登り始めにピークが来ます。15分ほど登ったところで身体が温まったため、即座にミドルレイヤーを脱ぎ、ハードシェル+ベースレイヤーのみに。「汗をかかないことを何よりも優先」する、これまでの経験則です。

■ 最大のトラブル「アイゼン脱落」

乗越浄土の直前、ピッケルとアイゼンの前爪を使って四つん這いで登る急登。初めての斜度にテンションが上がり、一歩ずつ食い込ませていたその時。

「がこっ」

嫌な音と共に、左足から地面を噛む手応えが消えました。足元を見ると、アイゼンが外れて紐でかろうじて絡まっている状態。左足が効かない状況では、身体を上に上げるのは物理的に無理筋です。半分パニックになりながら仲間にヘルプを要請し、ダブルアックスで無理やり身体を持ち上げようと試みるも上がらない。

その時、下から登ってきた方が左足の土台を手で作ってくれ、なんとか身体を持ち上げることに成功。上2mの手摺にたどり着き、渾身の力でアイゼンをいつもより強く装着し直しました。まさに命の恩人。生きててよかった……!

道具を過信せず、力任せに雑に登らない。もしソロだったら、コントロール可能な速度でゆっくり下り、安全な場所で装着し直すのが正解だったはず。この失敗は、登攀の基礎を身体に叩き込む強烈な教訓となりました。

木曽駒ヶ岳への難所、ピッケルとアイゼンで登る八丁坂の急斜面

第4章:覚醒の稜線と、3,000mの頂

標高2,956m、厳冬期の木曽駒ヶ岳山頂から見渡す3000m級の山並み

■ 強風の稜線歩き

乗越浄土から木曽駒ヶ岳山頂へ向かう、強風が吹く冬の稜線歩き

乗越浄土に出ると、風を遮るものがなくなり強風が吹き付けます。すぐさまハードシェルのフードを被り、バラクラバを装着して快適な防風空間を構築。以前の山行で試した「細く吐く呼吸」を意識し、サングラスの曇りを完全に防ぎます。

■ 木曽駒ヶ岳登頂

標高2,956m、厳冬期の木曽駒ヶ岳山頂から見渡す3000m級の山並み

そしてついに山頂(2,956m)へ。そこは息を飲む絶景。3,000mクラスにしか出せない高所感と、見渡す限りの山の連なり。

標高2,956m、厳冬期の木曽駒ヶ岳山頂から見渡す3000m級の山並み

素晴らしい景色を堪能して、下山へ。

■ 下山のマネジメント

下山も素晴らしい木曽駒ヶ岳

山頂で30分ほどはしゃいだ後、アミノ酸を補給して下山開始。

帰り道の方が足を消耗するのを知っているので、登りの3倍休憩で足を止めながら、力任せに下山しないことを徹底します。仲間は脅威のスピードで見えなくなりましたが、自分のペースと安全第一を貫きます。

八丁坂の急斜面は、アイゼン脱落の経験を生かして「どうやったら身体と道具に負担がかからないか」を確認しながら極めて慎重に。そして千畳敷までの緩い下り坂に出ると、前の人に倣って座って滑り降りる!子供に戻ったように雪と戯れました。

千畳敷駅に着いた後は、暖房の効いた快適な場所でゆっくり装備を解き、汗冷えで死なないように着替えて帰路につきます。

第5章:下山後の罠と、勝利のソースカツ丼

過酷な雪山下山後のご褒美、駒ヶ根名物・明治亭のボリューム満点ソースカツ丼

無事に下山して一安心……と思いきや、最後の試練が待っていました。

■ トラップ③:定員オーバーのロープウェイ

平日にも関わらず、定刻10分前に並んだロープウェイは満員で乗れず。臨時便を待つことになり、計画していたバスへの接続が完全に崩壊しました。ロープウェイを逃す=バスに乗れない。下山時は早めに並ぶことを強くおすすめします。

■ 孤立無援の宮之原からの「ねじ伏せ」

臨時バスが運んでくれたのは、駅より手前の「菅の台」。15時の壁で飲食店は全滅、頼みの温泉もあいにくの休館。お腹はペコペコ。 ここで地図を開き、あるルートを見出します。 「駒ヶ根インターからなら高速バスに乗れる。ここから歩いて20分だ」 普段、夏山で6時間超を歩く我々にとって、20分は近所感覚。さらに10分歩いた先にある名店「明治亭」に照準を合わせ、強行軍を開始!

歩き切った先で食べた、明治亭の最高のソースカツ丼。そして駒ヶ根インターからしか乗れない特急バスに乗り込み、帰りの時間すら短縮させる最適解。バスに乗れなかったツケを、登山者の脚力で見事にねじ伏せ、大満足のフィナーレを飾りました。

かつどん
かつどん

冬山初の3,000m級は最高でした。

初見でも成功できるように、楽しんで行ってみてください!

おまけ

💰 今回の遠征費用まとめ

項目 内訳・詳細 金額(目安)
交通費・宿泊費往復高速バス、ロープウェイ、民泊代など約17,100円
食費ローメン、居酒屋、ソースカツ丼など約8,200円
総合計1泊2日 厳冬期・木曽駒遠征約25,300円

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