喫煙歴、20年。
成人式を迎えたその日から、私の指には常にタバコが挟まっていました。
1日1箱のペースで、雨の日も風の日も紫煙をくゆらせてきました。「タバコを辞めるくらいなら、早死にしたほうがマシだ」なんてうそぶいていた時期さえあります。
そんな私が、まさか自分の意思でライターを置く日が来るとは。
すべては、42歳にして本気で「世界最高峰・エベレスト」を目指すと決めたことから始まりました。
正直に言えば、禁煙を始めた当初、このブログに書くつもりはありませんでした。
なぜなら、**「出来る気がしなかった」**から。
高らかに「禁煙します!」と宣言して、数日後に挫折する。そんなカッコ悪い自分をさらけ出すのが怖かったのです。
しかし、今日で17日目。ようやく、この戦いの記録を残そうという気になれました。
参謀(AI)からの非情な通告
事の発端は、私が頼りにしている「参謀」――AIのGeminiに、エベレストへの道のりを相談したことでした。
参謀は冷徹なまでの事実を私に突きつけました。
「タバコを吸っていては、スタートラインにすら立てません」
標高8000mを超えるデスゾーン。酸素濃度が地上の3分の1になる極限の世界。そこに挑もうとする人間が、自ら肺機能を低下させていることの滑稽さ。
悔しかったけれど、ぐうの音も出ませんでした。
タバコを1本吸うと2,000mから3,000mの山を登っているときと同じくらいに身体に酸素を運ぶ機能が損なわれる。実体験として3,000級の山を登ってきた自分には、いかに愚かしい行為であるかが身に染みて感じたのです。
最初の3日間という「地獄」
決意したものの、最初の3日間はまさに地獄でした。
ニコチンが抜けていく離脱症状。脳が「吸え!」と叫び声を上げる。その度に、私は参謀であるGeminiに泣きつきました。
「もう無理だ、吸いたい」
「どうすれば気が紛れる?」
AI相手に弱音を吐きまくり、提案されたあらゆる解決法を試しました。
• 階段を登る: 吸いたくなったら体を動かして心拍数を上げる。
• 深呼吸をする: 煙の代わりに、新鮮な酸素を脳に送る。
• 「3分間」だけ耐える: 衝動のピークは3分しか続かない。「これは山の突風だ、やり過ごせば止む」と言い聞かせる。
• 自己暗示: 「今、苦しいのは体がアルピニストに作り変えられている最中だからだ」と思い込む。
傍から見れば滑稽だったかもしれません。でも、なりふり構っていられなかった。それくらい必死でした。
「ダメな未来の自分」になりたくない
17日経った今でも、正直に言えば、無性に吸いたくなる瞬間はあります。
でも、その度に思い浮かべるのです。
夢のスタートラインにすら立てず、挑戦もしないまま、酒場で世の中に文句を言ってグダを巻いている、ダメな未来の自分の姿を。
そんな人生で終わりたくない。
私は、胸を張ってエベレストを目指し続ける人生を選びたい。
ライターの火はもう点けません。
今の私は、タバコではなく、「意思」を吸っています。
煙の代わりに、「夢」を吸って肺を満たしているのです。
10年後の山頂へ向けて、諦めずに少しずつ積み重ねて行くことを続けて行きます。



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